この時点で、この系図の記録は、それまでに出たすべての人物について述べているように、「ヨセフはイエスを生んだ」とは言っていません。それは、「マリヤの夫ヨセフ・・・・このマリヤから・・・・イエスが生まれた」と言っています。イエスはマリヤから生まれたのであって、ヨセフからではありません。なぜなら、キリストは女の子孫であり、また処女から生まれると予言されていたからです(創3:15.イザヤ7:14)。キリストはヨセフから生まれることはあり得ませんでした。なぜなら、ヨセフは男であり、 エコニヤの子孫であって、エコニヤの子孫はだれも、ダビデの王位を継ぐことができなかったからです(エレミヤ22:28―30)。しかしながら、マリヤは処女であり、ダビデの子孫でした(ルカ1:27、31―32)。ですから、マリヤはキリストを産むのに適切な人物でした。ヨセフはマリヤと結婚したことによって、キリストとの関係を持ちました。そして前のページの 図表に示されているように、キリストをもたらすためのキリストの系図の二つの路線を、一つに結合しました。 この図表は、神から始まり、イエスに到達するまで継続するイエス・キリストの系図です。それは神からアダムに進み、アダムからアブラハムに、アブラハムからイサク、ヤコブを経て、ダビデに至ります。ダビデの後、それは二つに分かれます。第一の路線はナタンからマリヤに至り、第二の路線はソロモンからヨセフに至ります。最終的に、これら二つの路線は、ヨセフとマリヤの結婚によって一つに結合され、イエス・キリストをもたらします。このように、キリストは一見してエコニヤの子孫のように見え、エコニヤは王族の一人のように見えました。実際は、キリストはヨセフの先祖であるエコニヤの子孫ではなく、マリヤの先祖であるダビデの子孫でした。ですから、彼にはダビデの王位を継ぐ資格があるのです。
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