使徒  6章14節
6:14 わたしたちは彼が、『このナザレ人イエスはこの場所を1破壊し、モーセがわたしたちに与えた慣例を変える』と言っているのを聞きました」。
6章14節 フットノート1

これは、マタイ第23章37節から39節(マタイ23:37―39)と第24章2節(マタイ24:2)で主が予言されたような宮の破壊についての言葉や、マタイ第11章13節(マタイ11:13)で主が語られたような、律法の時代の終結についての言葉が、信者たちの間で広まっていたに違いないことを示しています。マタイ第27章40節(マタイ27:40)で、反対するユダヤ人は、ヨハネ第2章19節(ヨハネ2:19)で語られた主の言葉を歪曲し、主を十字架につけました。その時と同じように、彼らは信者たちの言葉をも歪曲しました。疑いもなく、ユダヤ人の反対は、サタンにそそのかされて、神の新約エコノミーをざ折させるものでした。しかし、サタンがそそのかすのに用いた根拠は、時代の転換であり、それはユダヤ教の伝統と矛盾しました。神の新約エコノミーは、ユダヤ教から完全に引き離された新しい時代を開始することです。これは、ユダヤ人が何世代にもわたって受け継いできた伝統に触れることであったので、ユダヤ人をつまずかせ、彼らの反対をかき立てました。その反対は、福音書における主の務めと共に始まり、使徒行伝における使徒たちの務めの時に、ますます激しくなってきました。この期間、主の新約の動きは過渡期にありました。使徒行伝におけるルカの記述によれば、初期の使徒たちを含むユダヤ人の間の召会は、彼らのユダヤ教的背景から来る影響がまだ残っており、また彼らの親族関係から来る反対もあり、この過渡期を首尾よくは通過しませんでした。この問題は、本書で繰り返し彼らを悩ませました(11:1―315:1―521:18―26)。使徒パウロでさえ、最後のエルサレム訪問の時に、危うくユダヤ教の実行に引き戻されそうになりました(21:20―26)。ヤコブ第2章10節(ヤコブ2:10)のノート1とヤコブ第1章11節(ヤコブ1:11)のノート1を参照。


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