2ペテ  2章1節
2:1 1しかし、民の間に偽預言者たちが起こりましたが、同じようにあなたがたの間にも、偽教師たちが現れます。彼らは2ひそかに滅びの3異端を持ち込み、彼らを買い取られた4主人をさえ否んで、彼ら自身の上に速やかな5滅びをもたらしています。
2章1節 フットノート5

この手紙の中で、ペテロは神の行政上の裁きの下にある背教の結果について、三つの異なるギリシャ語を用いています。
 (1) 「アポルミ」(Apollumi)は、「徹底的に滅ぼす」を意味します。中間態では、第3章6節(3:6)にあるように、「滅びる」。この思想は、絶滅ではなく、破壊、破損です(存在についてではなく、幸福について)。マタイ10:28、22:7、マルコ12:9、ルカ17:27,29、ヨハネ3:16、10:28、17:12、Iコリント10:9,10、IIコリント2:15、4:3、IIテサロニケ2:10、ユダ1:5,11で、この言葉は、神の行政上の裁きについてさらに多く啓示しています。3:9では、神の行政上の懲罰を示しています。
 (2) 「アポレイア」(Apoleia)は、「アポルミ」(Apollumi)と同類語で、破損、(存在についてではなく、幸福の)破壊、破滅、(体の、霊の、永遠の)滅亡を表す言葉です。それは2:1では「滅びの」、「滅び」と訳され、2:3、3:7では「滅び」と訳され、3:16では「破壊」と訳されています。同じ言葉が、神の各種の裁きの異なる結果を示すのに用いられています(参照,Iペテロ1:17のノート2の第二段落)。2:1,3、3:7、ヨハネ17:12、ローマ9:22、ピリピ1:28、3:19、IIテサロニケ2:3、啓示録17:8,11で使われる場合には、永遠の滅亡を意味します。3:16(参照,ノート4)とヘブル10:39(参照,ノート2)で使われる場合には、永遠の滅亡ではなく、神の行政上の懲らしめの刑罰を意味します。マタイ7:13とIテモテ6:9では、いずれの場合にも用いられる原則を示しています。
 (3) 「フトーラ」(Phthora)は、道徳、魂、体の破滅に至る腐敗、腐敗をもたらす破壊、腐敗によって破壊することを示す言葉です。それは、1:4と2:19では「腐敗」と訳され、2:12では「破壊するため」、「腐敗」と訳されています。その動詞形は、2:12では未来形の受動態で「破壊させられる」と訳され、ユダ1:10では現在形の受動態で「腐敗させられていく」と訳されています。そのような意味は、ローマ8:21、Iコリント3:17とノート1と2、15:33、IIコリント7:2、11:3、ガラテヤ6:8、啓示録11:18、19:2でさらに見ることができます。


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