ここの「神よ」と9節(9節)の「あなたの神」は、御子のことを言っています。御子は神ご自身ですから、彼は神です。ですから、ここでは「神よ」と言います。御子はまた人でもありますから、神は彼の神です。ですから、9節(9節)は「あなたの神」と言っています。 この書の意図は、神の救いがユダヤ教にまさっていることをヘブル人信者たちに見せることです。ユダヤ教で誇りとするものは、神、御使いたち、モーセ、大祭司アロン、旧約とその奉仕でした。まず著者は、神の救いにおいて最初のまさっているものは神だけではなく、表現された神、すなわち子なる神であることを指摘しています(2、3、5、8―12節)。それから著者は続いて、キリストは御使いたちに(1:4―2:18)、モーセに(3:1―6)、アロンに(4:14―7:28)まさっていることを、また彼によって結ばれた命の新しい契約は文字の古い契約にまさっていることを、明らかにしています(8:1―10:18)。
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