ヤコブは恵みと律法との区別に関して、明確な見解を持っていなかったかもしれませんが、彼の書簡である本書は、クリスチャンの行ないに関しては優れており、注目すべきものです。本書では、クリスチャンが完成され、それが彼らの実行に表されるほど、完全で整えられて、何も欠けたところのない者となることを強調しています。これが、本書の主要な題目であると考えてよいでしょう。このような、行ないにおけるクリスチャンの完成は、神の行政的取り扱いの試練と、植えられた御言による再生を通しての、神聖な誕生の美徳による信者たちの忍耐を要求します(18,21節)。
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