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マルコによる福音書 第 六 章 ＜戻る　進む＞


8
海の上を歩く――6:45-52
6:451それからすぐ、イエスは強いて弟子たちを舟に乗り込ませて、先に向こう岸のベツサイダへ行かせ、その間に群衆を解散させられた。
6:46そしてイエスは人々に別れを告げてから、1祈るために山へ行かれた。
6:47夕方になって、舟は海の真ん中にあり、彼は一人、陸におられた。
6:48すると、逆風のために、彼らがこぎ悩んでいるのが見えたので、彼は第四の夜回りのころ、1海の上を歩いて彼らの所に向かい、彼らを通り過ぎようとされた。
6:49ところが、彼らは、イエスが海の上を歩いておられるのを見て、幽霊だと思い、叫び声を上げた．
6:50彼らはみなイエスを見て、おびえたからである。しかし、イエスは直ちに彼らに話しかけて、言われた、「しっかりしなさい．1わたしだ．恐れることはない」。
6:51イエスが彼らの所に来て、舟に乗り込まれると、風はおさまった。彼らは心の内で、ひどく驚いた．
6:52彼らはパンのことについて理解しないで、心がかたくなになっていたからである。

9
至る所でいやす――6:53-56
6:53それから一行は陸に向かって渡って行き、ゲネサレに着いて舟をつないだ。
6:54彼らが舟から上がると、たちまち人々はイエスだと知って、
6:55その地方全体を駆け回り、どこでも彼がおられると聞いた場所へ、病んでいる人たちを床に載せて運び始めた。
6:56こうして、イエスが入って行かれると、村でも、町でも、部落でも、人々はそこの市場に病人を置き、彼の1衣の房にでも触らせていただきたいと請い願った．そして彼に触った者はみな2いやされた。

10
内側からの汚すものについて教える――7:1-23
7:11さて、パリサイ人とある聖書学者たちがエルサレムから来て、イエスの所に集まり、
7:2彼の弟子たちが汚れた手、すなわち、洗わない手でパンを食べているのを1見た。
7:3（パリサイ人とすべてのユダヤ人は、2昔の人たちの言い伝えを固く守り、1念入りに手を洗ってからでないと、食事をしないからである．
7:4また彼らは、市場から帰った時には、1身を洗ってからでないと食事をしない。そのほか、杯、水差し、銅器2をすすぐことなど、受け継いで固く守っている事が多くある）。
7:5そこで1パリサイ人と聖書学者たちは彼に尋ねた、「なぜあなたの弟子たちは、昔の人たちの言い伝えにしたがって歩まないで、汚れた手でパンを食べるのですか？」
7:6イエスは彼らに言われた、「イザヤはあなたがた1偽善者のことを、よくも適切に預言したものだ．こう書かれている、『この民は、口先ではわたしを敬うが、その心はわたしから遠く離れている．
7:7彼らは人の戒めを教えとして教えながら、むなしくわたしを1礼拝している』。
7:8あなたがたは神の戒めを放棄して、人の言い伝えを固く守っている1」。
7:9イエスはまた言われた、「あなたがたは自分たちの言い伝えを守るために、よくも1神の戒めを捨てたものだ。
7:10モーセは言った、『あなたの父と母を敬え』．また『父や母をののしる者は、1殺されなければならない』。
7:11ところがあなたがたは、『もし人が父や母に、あなたがわたしから得るものはみな1コルバン（すなわち、神への贈り物）ですと言えば、
7:12その人に、父や母のためにもう何をしなくてもよい』と言う。
7:13こうしてあなたがたは、自分たちが伝えてきた言い伝えによって、神の言から権威を奪っている。また、これと同じような事を多く行なっている」。
7:14それから、イエスは再び群衆を呼び寄せて、彼らに言われた、「みな、わたしの言うことを聞いて、理解しなさい。
7:15外から人に入って人を1汚すものはない．むしろ人から出て来るものが、人を汚すのである。
7:161聞く耳のある者は、聞くがよい」。
7:17イエスが群衆を離れて家に入られた時、弟子たちはそのたとえについて彼に尋ねた。
7:18イエスは彼らに言われた、「あなたがたもそんなに物わかりが悪いのか？　すべて外から人に入って来るものは、人を汚すことができないことがわからないのか？
7:19なぜなら、それは人の心にではなく、胃袋に入り、そして排出されるからである」（彼はこのように言って、すべての食物を清いとされた）。
7:20イエスはまた言われた、「人から出て行くものが、人を汚すのである。
7:21内側から、すなわち人の心から、邪悪な思い、淫行、盗み、人殺し、
7:22姦淫、むさぼり、悪意、1欺き、放縦、2ねたみ、冒とく、高慢、愚かさが出て来る。
7:23これらすべての1悪いものは内側から出て来て、人を汚すのである」。

11
カナン人の娘から悪鬼を追い出す――7:24-30
7:241イエスはそこから立ち上がって、ツロ2とシドンの地方へ行かれた。彼はある家に入って、3だれにも知られたくないと思われた．しかし、隠れていることはできなかった。
7:25汚れた霊にとりつかれた小さい娘を持つ女が、イエスのことを聞くと、すぐにやって来て、彼の足もとにひれ伏した。
7:26その女はギリシャ人で、1スロ・フェニキヤ族であった。彼女はイエスに、娘から悪鬼を追い出してくださるようにとお願いした。
7:27イエスは彼女に言われた、「まず子供たちを満腹させなさい．なぜなら子供たちのパンを取り上げて、1子犬に投げてやるのはよくないからだ」。
7:28すると、彼女は答えて言った、「主よ、そうです．しかし、食卓の下の子犬でさえ、子供たちのパンくずはいただきます」。
7:29そこで、イエスは彼女に言われた、「その言でよろしい．行きなさい。1悪鬼はあなたの娘から出て行った」。
7:30彼女が家に戻って見ると、その小さい子供は寝床に伏しており、悪鬼は出てしまっていた。

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